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獣医師による水と衛生の話 番外編①「次亜塩素酸はなぜ除菌できる?」

※今回は少し専門的なお話です。

読み飛ばしていただいても、このシリーズの内容は問題なくご理解いただけます。

「仕組みも知りたい!」という方向けに、少しだけ化学のお話をしてみたいと思います。

次亜塩素酸(HOCl)は、なぜ細菌を除菌できるのでしょうか。

その理由は、一言でいうと「酸化反応」です。

「酸化」と聞くと、「鉄がサビること」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

実は、酸化には大きく2つの考え方があります。

① 酸素と結び付くこと

昔から使われている考え方です。

例えば、鉄がサビる現象は、鉄が酸素と結び付いて酸化鉄になることで起こります。 そのため、「酸化=酸素が付くこと」と認識している方も多いと思います。

② 電子を失うこと

現在の化学では、こちらの考え方が一般的です。

物質から電子が奪われることを「酸化」と呼びます。 つまり、酸素が直接関係しない反応でも酸化は起こります。

では、次亜塩素酸はどうでしょうか。

実は、次亜塩素酸は細菌へ酸素を与えているわけではありません。 細菌を構成するタンパク質や酵素から電子を奪い、その働きを失わせることで除菌作用を示します。

つまり、電子を奪うという意味での「酸化反応」によって細菌を不活化しているのです。

「次亜塩素酸はなぜ除菌できるの?」という疑問の答えは、この酸化反応にあります。

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